Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 180.256 caratteri · 361 schermate

Aozora Bunko

徒士の者や、草履取は、当然途中でこぼれてしまう。

だが、がんまくと藤吉郎の二人だけは、遅れながらも、必死に飛んで、信長の駒から捨てられまいとした。

「すわ! 事だぞ」

と、二人は互に、眼顔を見合って、ぬかるなと励まし合った。

なぜならば信長の馬首は、那古屋へ向っているからである。藤吉郎はがんまくから、深い内情を聞いている。そこは信長を亡き者にして、弟の信行を擁立しようとしている陰謀の府ではないか。

何をしでかすか知れない信長が――何が起るか測り難い危地へ、――向う見ずな駒を飛ばして行くのである。

これほど危険なことはない。

「一大事」

と、がんまくや藤吉郎が、心のうちで、大変を予期したのも無理ではなかった。

だが、より以上、驚いたのは、彼の唐突な来訪をうけた、那古屋城代の林佐渡守と、弟の美作だった。

あわただしく、本丸の一室へ駈けこんで来た家臣が、

「殿、殿、――はやく、お出迎えにお立ちなされませ。信長公のお越しにござりますぞ」

と、告げても、

「何、何じゃと?」

耳を疑って、起とうとはしなかった。――

まさか! という気持が邪魔していた。

「騎馬で、ただ、四、五騎のお供衆をつれたのみで、大玄関まで、いきなりお乗り着けなされました。