Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate

Aozora Bunko

二

察するに貴様偽唖じゃな。わははは、わははは」

愉快に堪えないもののごとく退屈男は、カンラカンラと打ち笑いました。

しかし笑っているとき――

「邪魔だッ、ヘゲタレ! どかすか! ヘゲタレ!」

異な声をあげながら、異な事を言って、不意に退屈男の刀のこじりを、ぐいと突きのけたものがありました。

二

江戸に生れて三十四年、伝法に育って、鉄火に身を持ち崩してはいるが、いまだ嘗てヘゲタレとは耳にしない言葉です。――不審に思って退屈男は、静かにふりむきました。

と同時に目の前を、奴凧のように肩を張って、威張りに威張りながら通りぬけようとしていたのは、三十二三のぞろりとした男です。――江戸ならば先ず、町の兄哥の鳶頭とでも言うところに違いない。

「町人!」

退屈男は至って静かに、おちついて呼びとめました。

「まてッ、町人!――こりゃ待たぬか! 町人」

「なんでえ! 呼びとめて何の用があると言うんだ」

「異な事を申したゆえ、後学のために相尋ねるのじゃ。ヘゲタレとか申すのは身共のことかな」

「阿呆ぬかすない。身共なればこそ言ったんだ。因縁つけて喧嘩を売ろうと言うのか」

「のぼせるなのぼせるな。