Classici giapponesi con furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate
「左様か。よしッ。拙者が扱ってつかわそう」
まことに嗤うべきお猪ッ介です。こういう場合の用心棒に雇われてでもいるというのか、これみよがしに大きく結んだ羽織の紐をひねりひねり近づいて来ると、恐るべき江戸名物の退屈男とも知らず、横柄に挑みかかりました。
「因縁つけて何をしようというのじゃ!」
きくや退屈男のまなこは、編笠の奥深く冴え冴えと冴え渡って、その口辺に不気味な微笑がのぼりました。取るに足らぬ下郎下人の雑言ならば、相手にするも大人気ないと笑ってきき流すつもりだったが、形ばかりなりともいち人前の二本差が割って這入ったとすれば、対手にとって不足はなかったからです。わけても、取り巻四人の節操もなく気概も持たぬ、屈辱的な物ごし態度が、三河ながら江戸ながらの旗本魂にぐッとこたえたので、眉間のあたりをぴくぴくさせながら、静かに開き直ると、不気味に問い返しました。
「身共が因縁つけたら、おぬしこそどうしようと言うのじゃ」
「知れたこっちゃ。これが物を言うわッ」
ぐいと胸を張って、ポンと叩いたのは柄頭です。
「ほほう、これは面白い!」
全くこれは面白くなったに違いない。