Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate

Aozora Bunko

気付け薬はどこでござんす。医者も早う呼んであげて下さんし」

新造達を叱って、取りあえず応急の手当にかからせました。だが、退屈男にとって第一の問題となり、何よりも急がれたものは、それまで行動を共にしていた者が、なにゆえ不意に斬られたかその不審です。手当の気付け薬で弥太一が、徐々に元気づいたのを見ますと、ぜひにもその謎を解いてやろうと言わぬばかりに、膝を乗り出してきき尋ねました。

「定めし深い仔細あっての事であろう。何が因での刄傷じゃ」

「何もこうもねえんです。あの四人の野郎達は猫ッかむりなんです。喰わせ者なんです」

「なに! では所司代付の役侍とか申したのは、真赤な嘘か」

「いいえ立派な役侍なんです。役侍のくせに悪党働きやがって、人をこんなに欺し斬りしやがるんだから猫ッかむりなんです。おお痛え! 畜生ッ、くやしいんだッ、人を欺しやがって、くやしいんだッ。これも何かの縁に違えござんせぬ。打ッた斬っておくんなせえまし! 後生でござんす。あっしの代りに野郎共四人を叩ッ斬っておくんなせえまし!」

「斬らぬものでもない。退屈の折柄ゆえ、事と次第によっては斬ってもつかわそうが、仔細を聞かぬことにはこれなる一刀、なかなか都合よく鞘鳴りせぬわ。