Classici giapponesi con furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate
不意を打たれてぎょッとうろたえ上がったのは、荒法師玄長でした。否! さらにうろたえたのはあの女スリでした。立て膝の蹴出しも淫らがましく、プカリプカリと長煙管を操っていた、あの許し難き女スリでした。両人共さッと身を退いて、気色ばみつつ身構えたのを、
「騒ぐでない、江戸に名代の向う傷は先程より武者奮い致しておるわ。騒がば得たりと傷が飛んで行こうぞ」
不気味に、静かに、威嚇しながら、そこに慄え慄え、蹲っている、わたしの念日様なる恋の対手の若僧をじろりと見眺めました。――無理はない。まことに恋の娘が尼にまでなったのも無理がない、実に何ともその若僧が言いようもない程の美男なのです。
「ほほう、川下の尼御前、羨ましい恋よ喃」
「いえ、あの、知りませぬ。そんなこと知りませぬ。それより念日様をお早く……」
「急がぬものじゃ。今宵から舐めようとシャブろうと、そなたが思いのままに出来るよう取り計らってつかわそうぞ。ほら、繩目を切ってつかわすわ」
「よッ、要らぬ御節介致したなッ。何をするかッ。何をッ」
血相変えて玄長が詰ったのは当然でした。
「女犯の罪ある大罪人を、わが許しもなく在家の者が勝手に取り計らうとは何ごとかッ」