Classici giapponesi con furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate
ているらしいのが、最初に追っかけて来た四十侍に代り合って若衆髷の帰路を遮断すると、もう柄頭に手をかけながら、口汚なく挑みかかりました。
「生ッ白い面しやがって、やさしいばかりが能じゃないぞッ。さ、抜けッ、抜かぬかッ」
可哀そうに若衆は、垣間見ただけでも身の内が、ぼッと熱くなる程な容色を持っているというのに、こういう野暮天な人斬り亡者共にかかっては、折角稀れな美貌も一向役に立たぬとみえて、口汚なく罵しられるのをじっと忍びながら、ひたすらに詑びるのでした。
「相済みませぬ。相済みませぬ。先を急がねばなりませぬゆえ、お許しなされて下さりませ。もうお許しなされて下さりませ」
「何だとッ? では、貴様どうあっても抜かぬつもりかッ」
「はっ、抜くすべも存じませぬゆえ、もうお目こぼし下されませ」
「馬鹿者ッ、抜くすべも知らぬとは何ごとじゃ、貴様われわれを愚弄いたしおるなッ」
「どう以ちまして。生れつき口不調法でござりますゆえ、なんと申してお詑びしたらよいやら分らぬのでござります。それに主人の御用向きで、少しく先を急がねばなりませぬゆえ、もうお許しなされまして、道をおあけ下さりませ。