Classici giapponesi con furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate
「対決?」
「はッ。それにても御疑念晴れませねば伝通院の坊主どもお招きの上にて対決するともなお苦しゅうござりませぬ。上は二なき御明君、御明察願わしゅうござります」
「いずれにしても不埓者じゃ、不、不埓者めがッ」
「恐れ入ってござります。不義を強いて天下を紊そうといたしましたるは治右が不埓か、或いはまた貸すべからざる膝貸し与えたお紋の方様が不埓か、それとも御怒りに触るるを覚悟で、御意見代りにお膝汚し奉ったこの主水之介が不埓か、黒白は上のお目次第、もし万一、主水之介に不埓ありとの御諚ならば、切腹、お手討、ゆめいといませぬ。おじきじきのお裁き願わしゅうござります」
「………」
「恐れながら御賢慮のほど、いかがにござります」
「憎い。いや、もう聞きとうない! 予は気分がわるうなった。見苦しい。もうゆけい!」
清浄潔白、理非を正した主水之介の言葉に、怒りの的がなくなったのです。何ということもなく睨みつけて、やり場に困るお怒りをじりじりと押えつけていられたが、さッと褥を蹴って立ち上がると、荒々しげにおすだれ屏風のうしろへ消えました。
しかし、よくよく御憤懣のやり場がなかったとみえるのです。