Classici giapponesi con furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate
よしんば挑んだことが行状よろしからざるにしても、そこはそれ畜生じゃ。罪は決してこれなる若者にないと思うがいかがじゃな。身共も少し学問がありすぎて、御意に召さぬかな」
召すにも召さないにも、こうやんわりと不気味に、しかも一向恐れ気もなく釣竿を肩にしたまま、大手搦め手両道から説き立てられては、いかに気負いの藩士でもぐッと二の句に詰ったのは当り前です。だが、返す言葉に詰ったからとて、今さらすごすごと引ッ込まれるわけのものではない。中の気短そうなひとりが、癇癪筋に血脈を打たせながらせせら笑うと、退屈男のその言葉尻を捉えて、噛みつくように喰ってかかりました。
「ならば貴公、罪なき者は斬ってならぬ。罪あらば何者たりと斬っても差支えないと申すかッ」
「然り! 士道八則にも定むるところじゃ。斬るべしと知らば怯まずしてこれを斬り、斬るべからずと知らば忍んでこれを斬らず、即ち武道第一の誉なりとな。これもやはり御意に召さぬかな」
「かれこれ申すなッ、ならば目に物見せてやるわッ」
罵り叫びざまに、さッと大刀抜き払うや否や、もろ手斬りに斬り払ったのは、若者と思いきや、挑みかかった黒鹿毛のうしろ脚です。