Classici giapponesi con furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate
偲ばれる膝栗毛ぶりでした。――行く程に川があって水が見える。大谷川です。その水に夕陽が散って、しいんとしみ入るように山気が冷たく、風もないのにハラハラと紅葉が舞って散って、何とはなしに自ら心よい涙がにじみ流るるようなすてきな晩秋だったが、山気のしんしんと冷える按配、流れの冴えてしみ入るように澄んで見える按配、どうやらあしたの朝は深い霜が降りそうな気配でした。
だから、チョッピイヒョロヒョロ、ピイヒョロヒョロと、たそがれかけた夕空高く囀ってこのあたり野州の山路に毎年訪れる、一名霜鳥との称のある渡り鳥のツグミの群が、啼いて群れて通っていったからとて不思議はないのです。それから百舌に頬白、頬白がいる位だから、里の田の畔、稲叢のあたりに、こまッちゃくれた雀共が、仔細ありげにピョンピョンと飛び跳ねながら、群れたかっていたとてさらに不思議はない。随ってまた小鳥がいる以上は、それらの小鳥を狙う鳥刺しがひとりや二人徘徊していたとても、何の不思議はない筈なのに、ふらりふらりとやりながら何気なくひょいと見ると、何と言う里の何と言う鎮守であるか、そこの街道脇につづいた鎮守の森の外をうろうろしている鳥刺しの容子が、いかにも少し奇怪でした。