Classici giapponesi con furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate
怒号と共にバタバタという足音が聞えたかと思うや、必死にこちらへ逃げ走って来たのは、意外! あの消えて失くなった鳥刺しなのです。追うて来たのがまたさらに奇怪! 十人、二十人、三十人――、いやすべてでは五六十人と覚しき農夫の一隊でした。しかもその悉くが手に手に竹槍、棍棒、鍬、鎌の類をふりかざしているのです。
一揆?
百姓一揆?
どきりと退屈男の胸は高鳴りました。一揆だったら事穏かでない。――まさに由々敷重大事なのです――その刹那、足の早い農民の両三人が砂煙あげつつ鳥刺しの背後に殺到したと見るまに、早くすでに四ツ五ツ、棍棒の乱打がその背を襲いました。同時にそれを見眺めるや、白髯痩躯の老神主が、主水之介に狙いつけていた手槍を引きざま、横飛びによたよたと走りよると、勿論叱って制止するだろうと思われたのに、そうではないのです。
「くくらッしゃい! くくらッしゃい! 殺してしまわばあとが面倒じゃ。殺さずにくくらッしゃい! 以後の見せしめじゃ。くくッて痛い目にあわさッしゃい!」
さすがに虐殺することだけは制止したが、自身先に立って手槍を擬しながら、鳥刺しの逃げ去ろうとした行く手を遮断すると、農民達に命じてこれを搦め捕らせようとさせました。