Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate

Aozora Bunko

「殿様殿様! いいところへおいでなせえました。早く来ておくんなさいよ」

と――、頭巾の中からいとも静かに落ちつき払った声がありました。

「うろたえて何ごとじゃ」

「だって、これをうろたえなきゃ、何をうろたえたらいいんですか! ま、あれを御覧なせえましよ」

「ほほう、あの者共も退屈とみえて、なかなか味なことをやりおるな」

「相変らず落ちついた事をおっしゃいますね。味なところなんざ通り越して、さっきからもうみんながじりじりしているんですよ。あんまりあの四人のでこぼこ共がしつこすぎますからね」

「喧嘩のもとは何じゃ」

「元も子もあるんじゃねえんですよ。あっしは初めからこの目で見てたんだから、よく知ってますがね、あの若衆の御主人様が、お微行でどこかへお遊びに来ていらっしゃると見えましてね、そこへの御用の帰りにあそこの角迄やって来たら、あの四人連れがひょっこり面出しやがって、やにわと因縁つけやがるんですよ。それも粕みていな事を根に持ちやがってね、若衆は笑いも何もしねえのに、笑い方が気に喰わねえと、こうぬかしゃがるんですよ。おまけに因縁のつけように事を欠いて、あの若衆の顔が綺麗すぎるから癪に障ると、こんな事をぬかしゃがるんで、聞いてるものだって腹が立つな当り前じゃござんせんか」