Classici giapponesi con furigana
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はるいくたび
春いくたび
山本 周五郎
Leggi 春いくたび (はるいくたび) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 70.094 caratteri · 142 schermate
涙をながして剛兵衛は頭を下げた。伝九郎はあわてておしとどめ、
「いや、そうおおせられてはかえって恥じ入ります。赤松氏こそ長曾我部家の宝、手前などの及ぶところではありません。どうぞお手を」
「あっぱれ、あっぱれ、美しき武士道ぞ」
元親は思わず感動していった。
「豪勇同志がゆずりあう情誼、これこそわが家中の宝であるぞ、――みなの者も聞いたであろう、伝九郎の心得は武士にとって金鉄のおきてじゃ、胆に銘じて忘れるなよ――さて伝九郎、第三の望みをきこう」
「おそれいりまする」
伝九郎は両手をついて、
「第三のお願いは、ただいまの五名の方々、なにとぞこれまでどおり、御家臣の列にお加えおきくださるよう、ぜひおねがいもうしあげまする」
「なに、五名の者を許せとか?」
「ただいまの勝負にて、うらみはきれいさっぱり、五名の方々も土佐武士なれば、これしきのことを含んで大切の主家をしりぞかれるような、未練なことはなさらず――もしお許しなき時は、おそれながら伝九郎こそおいとまを頂戴つかまつる」
「よくぞもうした。それでこそ伝九郎じゃ」
元親は声をうるませてふりむき、「五名の者、いまのことば聞いたか」