Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

Leggi 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 67.333 caratteri · 134 schermate

Aozora Bunko

これはまたどうしたのでしょう。ゴムまりは一太郎君の手の中に、ちゃんと、もどっていたではありませんか。

「ア、君、どうして取ったの?」

良雄君はさもさもふしぎそうな顔をして、一太郎君の腰から下を見つめました。でも、一太郎君のズボンも靴も、靴下も、少しもぬれていないのです。球を取るために池の中へはいったのでないことは、一目でわかります。では、二メートルも向こうにある、あのまりをどうして、取ることができたのでしょう。

「だれかおとなの人に取ってもらったのじゃない」

「君が行ってから、だれもここを通りやしないよ」

「じゃ、どうして取ったのさ。へんだなあ。ほんとうかい、君。ほんとうに君が取ったのかい?」

良雄君は、どう考えてもわからないという顔つきです。

「君が行ってから、じっと考えていると、やり方がわかってきたんだよ。よく考えれば何でもないんだよ」

一太郎君はべつにとくいらしい様子もなく、にこにこしています。

「ア、わかった。智恵の一太郎が、またなんだか考え出したんだね。いってごらん。どうして取ったのさ」

そこで、一太郎君は、話しはじめました。

「あのね、僕、動物園の象の鼻のことを思いついたんだよ。