Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

Leggi 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 67.333 caratteri · 134 schermate

Aozora Bunko

蛍を何千匹も集めたようなものが、三角形になって飛んでいるのです。

一太郎君は逃げ腰になりました。もう少しで門の方へかけ出すところでした。しかし、まだ一歩もふみ出さない前に、暗闇の中から、ハハハハハハハという人の笑声が聞えて来ました。

「一太郎君、驚いたかい。僕だよ。僕だよ」

それは大学生の高橋さんの声でした。三角形のひらひらと光るもののそばに、ボーッと高橋さんの笑顔が見えて来ました。

「これは旗なんだよ。光る旗なんだよ」

そういいながら高橋さんは、青白く光るものを、ひらひらとふって見せました。よく見ますと、なるほど三角の布の小旗なのです。

「あ、わかった。旗に夜光塗料がぬってあるんですね」

「まあ、そんなものだよ」

「僕をびっくりさせるっていうのは、それなんですか」

「いや、これだけじゃない。もっとおもしろいものがあるんだ。こちらへ来てごらん」

高橋さんは、そういって、一太郎君の手をとると、闇の中をおうちの方へ歩いて、そこの縁側にあがり、廊下づたいに、写真の現像をする暗室の中へはいりました。そして、入口の戸をぴったりしめて、

「これだよ。すばらしい電燈だろう」