Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 148.519 caratteri · 296 schermate
「私はまだ聞きません」
「ではすぐに聞けるだろう、ここに押籠められているおれの耳にも聞えたのだ、甲斐にも聞える筈だからよく聞くがいい、彼はいま周防を誹謗することでやっきになっている、糸に操つられるいかのぼりだということは気がつかずに」
そして綱宗は笑った。かさかさと乾いた、自分をあざけるような笑いであった。
「もっとも、いかのぼりは大学ひとりではない、ほかにもずいぶんいる、ずいぶんいるぞ甲斐」と綱宗は云った、「おれが逼塞になったこともそうだ、おれは幕府から譴責された、なぜだ、どうして幕府から譴責されたか、逼塞を命ぜられるような、なにをしたか、おれがなにをしたか、なるほどおれは廓へかよった、僅か十日あまり、それも普請小屋の見廻りを終ったあとで、……しかも自分から望んだのではない、京の伯母上(綱宗の母の姉で逢春門院。当時の今上、後西天皇の生母)から暑気みまいが来たとき、そう精勤しては躯にこたえる、少しは気ばらしをするがよいといって、四人の者におれを伴れださせた者がいる、むりにおれを伴れださせ、そして廓へ案内をさせた、そいつが誰だか、甲斐は知っているだろう、――一ノ関だ、糸を操つっているのは一ノ関だ、これまでのことはすべて、兵部少輔宗勝の策略だ」