Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆしまもうで

湯島詣

泉 鏡花

Leggi 湯島詣 (ゆしまもうで) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 62.004 caratteri · 122 schermate

Aozora Bunko

三十七

するのを、逃がしてなろか、と引抱て、首環に噛り着いて、頬杖して、ふと思い着いて、「恩愛雪の乳貰」という気取、わざと浮かぬ面をしている処へ、件の半札がさて早であった。

「師匠上りたまえ。ようこそ、」と諸事内の人で挨拶する。

ぐッと呑込んで、円輔はあたりをし、

「へへえ、成程、あいにく出懸けまして御愛想もございませんがね、どこへ、姐さんは。」

「また、これだそうさ、」といって窪んだ顔の真中へ指をした、近眼鏡の輪を真直に切って、指が一本。何と気を変えたか、宗匠、今夜は大いに侠って、印半纏に三尺帯、但し繻珍の莨入に象牙の筒で、内々そのお人品な処を見せてござる。

円輔は細長い膝を小紋縮緬の薄ぺらな二枚襲の上から、掌でずらりと膝頭へ擦り落すこと三度にして、がッくりと俯向き、

「さてはや。」

三十七

「どうしました、大分落胆の気味だね、新情婦も出来ませんか。」と源次郎は三味線の挂った柱に凭れて澄ましている。

円輔はまた耳朶へ掛けて頬辺を扱き上げて、

「いや、まず、はははは、時に何は、君の落ッこちはどうしたんでげす、お座敷かね。」

「何ちっと、遠方だそうです。」

「ははあ、遠出でげすかい、なにかに就けてさぞ気が揉めるこってえしょう、よ、色男。