Classici giapponesi con furigana
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ちくはくき
竹柏記
山本 周五郎
Leggi 竹柏記 (ちくはくき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.798 caratteri · 91 schermate
右が壁、左が古びた襖。庭でもあるのか、一方だけ障子になっている。
「そう四角張ってないで、袴でもぬぎませんか」八束は冷笑しながら、「――肩肱をいからしていても、此処ではべつに仰天する者はいませんからね」
「ほんとにお寛ぎなさいよ、こちら」
女中の一人が孝之助の腕を掴んだ。
「郷に入ったら郷に従えってね、こんなところで気取ったって誰も褒めやしないわ、すましてると、あたしたちで裸にしちまうわよ」
「私はすぐ帰るんだ」
孝之助は静かに、女の手をはらいのけて、八束の顔を見た。
「用があったら云って呉れないか」
「じゃあ、まず、酒を持って来い」彼は女中に手を振った、「――大丈夫だ、今夜は払ってやる。ここに金主がいるんだから、これまでの分もきれいにするし、今夜の分も払うし、きさまたちにも心付けを呉れてやる、大丈夫だからどんどん持って来い」
女中たちが去るとすぐ、
「断わっておくが」と孝之助が云った、「私は金は持っていないし、たとえ持っていたにしても、ここの支払いなどはしないからね」
「なあに払うさ、そのことなら私が保証してもいい、高安孝之助はここの勘定を払うし、そのほかに二百両こしらえて、私の前に並べるよ」