Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちくはくき

竹柏記

山本 周五郎

Leggi 竹柏記 (ちくはくき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.798 caratteri · 91 schermate

Aozora Bunko

五の二

という、現在の席に、一生とどまらなければならないかもしれない。それではやがて家計が逼迫してくる、というのは、交代世襲制の奉行職は、その職に就いている期間だけ、家禄と年俸と合わせた収入がある。退職ちゅうは年俸は与えられず、しかも家の格式は守らなければならない。要するに支出の面は変らないのに、収入が減るわけであって、次の任期までは、経済的にかなり苦しく、よほどひき緊めても、借財が残りがちであった。

父が倹約な人だったし、彼も律義之助などといわれるくらいで、現在のところはどうにかやってゆけるが、もしこのまま元方支配でいるとすると、早晩ゆき詰るのは明白であった。そこでさし当り、職制の改革にともなって、家の格式を食禄相当に直すこと、つまり格式上の負担を除いて貰う、ということを、退職した広松前奉行と相談のうえ、家老職まで願い出ることにした。

それは藩主が参覲のため出府する少しまえのことで、家老職は承諾し、その旨をすぐ藩主に通じたが、利秀は「考えておく」と、きげんの悪い顔で、答えただけであった。

五の二

藩主の江戸へ立つ日が迫った或る日、城中の長廊下で岡村八束に会った。