Classici giapponesi con furigana
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ちくはくき
竹柏記
山本 周五郎
Leggi 竹柏記 (ちくはくき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.798 caratteri · 91 schermate
「――理由を聞こう」
「いや、今は云えない、云えないが信じて呉れ、今日の決闘では、おれもずいぶん口惜しい思いをした、生れて初めて、心の底から憎悪というものを感じた、しかし、がまんする、当のおれががまんするんだ、どうか事を荒立てないで呉れ、頼む」
「――だが、小林や石川が見ているし、三人のならず者たちのこともあるし」
「そこを頼むんだ、どんな方法でもいい、とにかくここだけ無事におさめて呉れ、さもなければ不幸が大きくなる、ことによるとこの家にも迷惑を及ぼすことになるんだから」
鉄馬はなかばあっけにとられ、やや暫く義弟の顔を眺めていた。
――これは誇張ではないぞ。
律義之助といわれるくらいで、孝之助がわけもなくそんな強い表現をする筈がない。結婚したばかりの、杉乃のためでもあるというし、笠井家にも迷惑が掛るかもしれないという。八束と杉乃の関係は鉄馬も知っているので、これは孝之助の意見に従うべきだ、と思ったようすであった。
「ではともかく、小林と石川に相談をしてみよう」
「手後れにならないうちに、早く頼む」
「それで、高安はどうする」鉄馬は立ちかけてふり向いた、「――家のほうへは、気分が悪くなったので此処に寝ていると使いをやっておいたけれど、もう少し休んでゆくか」