Classici giapponesi con furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Leggi 第二の接吻 (だいにのせっぷん) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.960 caratteri · 247 schermate
十時に、一分でもおくれると、わたしどんなことがあってもお許ししませんよ。いいえ、それはウソですわ。わたしきっと、夜があけるまででもお待ちしていますわ。
文句は、そこで終っていた。倭文子は、読み終ると、大きい溜息が、心の底から出た。喪心したように、それを京子の手にかえした。
京子は、ニヤニヤ笑っていた。
「ね、あなた誰が書いたと思って?」
「わかりませんわ。」
「そう、わたし、初めあなたじゃないかと思ったの。」
「まあ!」
と、いおうとした言葉が、倭文子の口のところでこわばってしまった。
「でも、あなたにしては、字がまずいでしょう。」
「いいえ、わたしだってまずいわ。」
「いいえ。あなたは、お上手だわ。それにあなたの字とは丸きり違っているでしょう。」
「ええ違っているわ。」
「で、わたしよく考えたの。ところが、驚くじゃないの。これ一枝なのよ。」
「まあ!」
「でも、文句はうまくない?」
「ええお上手だわ。」
「なまいきね。十七のくせに、こんなラブレターなんかかいて。」
「ほんとうに。」
「それで、あなた相手は誰だと思うの。」
倭文子は考えた。同じ家に住んでいる一枝の相手、それは書生の野村よりほかにはなかった。