Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.082 caratteri · 257 schermate
三
父親に声を掛けられると、お由利は雷鳴に打たれたような驚きでした。
「では、お願いいたします」
お小姓は静かに立上って庫裡の方に退くと、死ぬほど恥ずかしがったお由利は、憑かれたもののように起って、その後を追うのです。
庫裡には大釜に湯が沸いて居りました。茶道具から菓子まで、何んの手落もなく其処に取揃えてあります。
年頃の見当はつきませんが、前髪立の美しい小姓と、十八になったばかりの、これは申分なく可愛らしい町娘は、ままごとのような心持で、お茶の仕度をしたのです。阿波屋の主人夫婦と手代宗次郎と、お由利自身の分、それから本堂に担ぎ入れた三千両の祠堂金を見張っている鳶頭の銀次の分、外に本堂前の段々に寛ろいでいる、四人の人足の分、それを二人は、幾度にも/\、面白そうに運ぶのでした。それが済むと、今度は菓子、
「お嬢様、これで皆んな済みました。お嬢様も此処で召し上りませんか――私も戴きますが」
お小姓はお由利にもお茶と菓子をすすめ、自分も一碗の茶を取って、口のところへ持って行くのでした。
三
「わッ、大変、親分」
ガラッ八の八五郎、泳ぐように飛込んで来たのは、其日も漸く暮れかける頃でした。