Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

せいあどうきだん

青蛙堂鬼談

岡本 綺堂

Leggi 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.438 caratteri · 238 schermate

Aozora Bunko

その娘は僕がひそかに想像していた通り、色の蒼白い、まったく幽霊のような美しい女であった。剪燈新話の女鬼――それが再び僕の頭にひらめいた。

T君は娘の顔をながめ、脈を取り、さらに体温器でその熱度をはかった。そのあいだにも娘は時どきに血を吐きそうな強い咳をして、老女に介抱されていた。T君は僕たちを見返って小声で言った。

「君。どうしても肺病だね。」

「むむ。」と、僕たちは一度にうなずいた。かれが呼吸器病の患者であることは、我れわれの素人眼にも殆んど疑うの余地がなかった。

「熱は八度七分ぐらいある。」と、T君はさらに説明した。「軍医部が近いところにあれば、その容体をいって薬を貰って来てやるのだが、今はどうすることも出来ない。まあ気休めに解熱剤でもあたえておこうか。」

「まあ、そんなことだな。」と、僕も言った。

T君は雑嚢から解熱剤の白い粉薬を出して、その用法を説明してあたえると、老人は地にひざまずいて押し戴いた。それをみていて、僕はひどく気の毒になった。満洲の土人は薬をめったに飲んだことがないので、日本人にくらべると非常に薬の効目がある。現に宝丹をのんで肺炎が癒ったなどという話もきいた。