Classici giapponesi con furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Leggi 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.438 caratteri · 238 schermate
二
見えない眼をむき出すようにして、座頭はにやりと笑ったので、平助はまたぞっとした。
二
盲人は勘のよいものである。そのなかでもこの座頭は非常に勘のよいらしいことを平助もかねて承知していたが、今夜の手際をみせられて彼はいよいよ舌をまいた。もとより盲人であるから、暗いも明るいも頓着はあるまいが、それにしてもこの暗い雨のなかで、勢いよく跳ねまわっている大きい魚をつかまえて、手探りながらにその眼のまっ只中を突き透したのは、世のつねの手練でない。彼が人の目を忍んで磨ぎすましているあの針が、これほどの働きをするかと思うと、幾たびかうなされた。
「とんだ者を引摺り込んでしまった。」
平助は今さら後悔したが、さりとて思い切って彼を追い出すほどの勇気もなかった。却ってその後は万事に気をつけて、その御機嫌を取るように努めているくらいであった。
座頭がこの渡し場にあらわれてから足かけ三年、平助の小屋に引取られてから足かけ二年、あわせて丸四年ほどの年月が過ぎたのちに、彼は春二月のはじめ頃から風邪のここちで患い付いた。それは余寒の強い年で、日光や赤城から朝夕に吹きおろして来る風が、広い河原にただ一軒のこの小屋を吹き倒すかとも思われた。