Classici giapponesi con furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Leggi 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.438 caratteri · 238 schermate
三
一方の半兵衛と伊助は早朝に出て行ったままで、午頃になっても帰らないので、これもどうしたかと案じていると、九つ半――今の午後一時頃だそうでございます――頃になって、伊助ひとりが青くなって帰って来ました。半兵衛はどうしたと訊いても、容易に返事が出来ないのです。その顔色といい、その様子をみて、みんなはまたぎょっとしました。
三
ぼんやりしている伊助を取巻いて、大勢がだんだん詮議すると、出先でこういう事件が出来していることが判りました。
半兵衛はゆうべ家をかけ出して、ふだんから懇意にしている漁師の家をたずねたのですが、どこの家にも、蟹がない。いばら蟹や高足蟹があっても、かざみがない。それからそれへと聞きあるいて、だんだんに北の方へ行って、路ばたに立っている小僧を見つけたのでした。
それですから、きょうも伊助と二人連れで、ともかくも北の方角――出雲崎の方角でございます――を指して尋ねて行きましたが、ゆうべの小僧らしい者の姿を見ない。知らず識らずに進んで鯖石川の岸の辺まで来ますと、御承知かも知れませんが、この川は海へそそいでおります。その海寄りの岸のところに突っ立って水をながめている小僧、そのうしろ姿がどうもそれらしく思われるので、半兵衛があわてて追っかけました。