Classici giapponesi con furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Leggi 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.438 caratteri · 238 schermate
妹の方が赤座よりもずっと巧い字をかいているのを僕はおかしくも思った。その後も相変らず毎月一度ぐらいの音信をつづけていたが、八月になって僕は上州の妙義山へのぼって、そこの宿屋で一と夏を送ることになった。妙義の絵葉書を赤座に送ってやると、兄妹から僕の宿屋へあてて、すぐに返事をよこした。暇があれば自分も妙義へ一度登ってみたいが、教務が多忙で思うにまかせないなどと、赤座の手紙には書いてあった。
九月のはじめに僕は一度東京へ帰ったが、妙義の宿がなんとなく気に入ったのと、東京の残暑はまだ烈しいのとで、いっそ紅葉の頃まで妙義にゆっくり滞在して、やりかけた仕事をみんな仕上げてしまおうと思い直して、僕はその準備をして再び妙義の宿へ引揚げた。妙義へ戻った翌る日に、僕は再び赤座のところへ絵葉書を送って、仕事の都合で十月の末ごろまではこっちに山籠りをするつもりだと言ってやった。しかしそれに対しては、兄からも妹からも何の返事もなかった。
十月のはじめに、僕は三たび赤座のところへ絵葉書を送ったが、これも返事を受取ることが出来なかった。赤座は教務でどこへか出張しているのかも知れない。