Classici giapponesi con furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Leggi 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.438 caratteri · 238 schermate
彼は堪えがたい恐懼と煩悶とにひと月あまりをかさねた末に、彼は更に最後の審判をうけるべく怖ろしい決心を固めた。
彼はいつも神前に礼拝する時に着用する白い狩衣のようなものを身につけて、それに石油をしたたかに注ぎかけておいて、社の広庭のまん中に突っ立って、自分で自分のからだにマッチの火をすり付けたのであった。聞いただけでも実に身の毛のよだつ話で、彼はたちまち一面の火焔に包まれてしまった。それを見つけて妹の伊佐子が駈け付けた時はもう遅かった。それでも何とかして揉み消そうと思ったのか、あるいは咄嗟のあいだに何かの決心を据えたのか、伊佐子は燃えている兄のからだを抱えたままで一緒に倒れた。
他の人々がおどろいて駈けつけた時はいよいよ遅かった。兄はもう焼けただれて息がなかった。妹は全身に大火傷を負って虫の息であった。すぐに医師を呼んで応急手当を加えた上で、ともかくも町の病院へかつぎ込んだが、伊佐子はそれから四時間の後に死んだ。
その凄惨の出来事は前の記事以上に世間をおどろかして、赤座の死因についてはいろいろの想像説が伝えられたが、所詮はかの新聞記事が敬虔なる○○教の講師を殺したということに世間の評判が一致したので、新聞社でもさすがにその軽率を悔んで、半ば謝罪的に講師兄妹の死を悼むような記事を掲げた。