Classici giapponesi con furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Leggi 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.438 caratteri · 238 schermate
その小屋の隅に見なれない茸の二つ三つ生えているのをお年が見つけて、あれは何だと蛇吉にたずねると、それは蛇を捕る薬であると彼は説明した。大小幾匹の蛇を殺して、その死骸を土の底ふかく埋めておくと、二、三年の後にはその上に一種の茸が生える。それを陰干にしたのを細かく刻み、更に女の髪の毛を細かく切って、別に一種の薬をまぜて煉り合せる。そうして出来上がった薬を焼くと、うわばみはその匂いを慕って近寄るのであると言った。ただし他の一種の薬だけは、蛇吉も容易にその秘密を明かさなかった。もう一つ、かのうわばみと戦うときに振りまく粉薬というのも、やはりその物に何物かを調合するのであった。たといその秘密をくわしく知ったところで、他人にはしょせん出来そうもない仕事であるから、お年もその以上には深く立入って詮議もしなかった。
夫婦の仲もむつまじく、生活に困るのでもなく、一家はまことに円満に暮らしているのであるが、なぜかこの頃は蛇吉の元気がだんだんに衰えて来たようにも見られた。彼は時々にひとりで溜息をついていることもあった。お年もなんだか不安に思って、どこか悪いのではないかと訊いても、夫は別に何事もないと答えた。