Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
……陣中お見舞いといたしまして、参りましたものと存ぜられまする」
と、とりなし顔に言上した。
「鬼火の姥の噂なりゃ、北殿南殿より承わり、この入道もつとに承知じゃ。……ほほうあれが鬼火の姥か、凄い形相をしておるのう」
と、大仏陸奥守は眉をひそめて云ったが、
「陣中見舞いに参ったとあっては、うっちゃって置くのも気の毒じゃ、呼んで杯をとらせよう。……金地院とやらも呼ぶがよい」
鬼火の姥と範覚との、物の怪じみた異様な姿は、間もなく大仏陸奥守のきらびやかな、ご前へ連れ出された。
「姥」
と陸奥守は声をかけた。
「北殿南殿に頼まれて、調伏やら細作やらに、よう武家方に尽くしてくれたそうじゃな。今後も尽くせよ、わしからも頼む」
大杯を突き出した。
その杯を両手で受けながら、関東北条家の歴々と、京都一流の白拍子遊君が、紅紫繚乱として入り乱れている、晴れがましいこの場のありさまにも、ちっとも心を驚かさず、範覚が日頃の舌を封じて、オドオドキョトキョトしている様子を、笑止らしく横眼で睨みながら、
「これはこれは勿体ないお言葉、お杯もろともに有難く、頂戴仕るでござりましょう」
と、そう云って姥は杯を干した。