Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate

Aozora Bunko

栄二は頷いて立ち、いっしょに外へ出てから「なんだ」ときいた。

「おめえ松造とおとよの話を知ってるか」

「詳しいことは知らねえが、聞いたことは聞いた」と栄二が答えた、「二人がどうかしたのか」

「覗くやつがいるんだ」と万吉が云った、「口にするのもけがらわしいがよ」

女置場のおとよという女と、元結作りの松造という男が、いつのまにかできて、女が男の世話をするようになった。松造は行状もよく、外使いといって、自由に市中へも出られるし、請人さえあればいつでも島から解放されることになっていた。寄場では特に男女の接近は厳禁されていたが、どんなに禁じられても、ひそかに愛を通じあう者がないわけではないし、そういう者があっても、周囲の者たちは気づかないふりをし、役人たちの眼から庇ってやるようにするのが習慣になっていた。松造とおとよのことは、栄二もほのかに聞いていたし、いつかの夜おとよが、女置場からぬけ出してゆくのを見たこともあった。

「あの二人は陽気があったかくなってから、ときたまの夜、南の海っぱたで逢うんだ」と万吉は語った、「おらあ松つぁんから聞いたんだが、それをやっかむだけならまだしも、覗きにゆく野郎がいるんだ」