Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate

Aozora Bunko

いまのところいちばんのぼせているのは松造で、彼はもういつでもしゃばへ出られるため、そのときはおとよを妻として迎えたいと、しんけんに思い詰めている。だから万吉を云いくるめて、こぶとの仲を裂こうとしたのだそうであった。

「女はいったいどうなんだ」

「そこがふしぎなんだよ」万吉はどうにも理解ができないというふうに云った、「――おらあ松つぁんといっしょに、あのあまと何度も話したんだが、そのときはあまのほうでも松つぁんに首ったけみてえなんだ、嘘じゃあねえほんとにそうとしかみえねえんだよ」

おとよとかかわりのあった男たちにきいてみると、どの男にもそんなふうだったようだ。はなれていった男たちの多くは、彼女があんまりむきになるので、つきあっているうちにおくびが出てくる、と云ったそうである。どこにも転がっているような話だ、おかしくもないもうやめろ、と栄二は云った。

「まのぬけたことへ引っぱりこんで済まなかった」万吉は頭をさげてから云った、「――だがな、あにい、こんどいろいろきいてまわっているうちに、役所のほうではあにいの身許も、名めえもとしもすっかりわかっている、ってえことを聞いたぜ」