Classici giapponesi con furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate
と栄二は冷笑するように云った、「自分の眼で見たわけじゃあないが、綿文ほどの旦那がそんなことで嘘は云わねえだろう、さぶがどんなにいきまいたって誰が信用するもんか」
「そんなこと構やしないわ」とおすえは強い調子で云った、「さぶちゃんはそう信じてるし、あたしだって栄さんを信じてるんですもの、そう思いたい人には勝手に思わしとけばいいじゃありませんか」
「おめえは知らねえからだ」
おすえは大きな眼で、またたきをしながら栄二の顔をみつめた。これまで胸にたたみこんだまま、あの出来事については誰にも云わなかった。云ってもむだだとわかっていたし、話してみても取返しのつくことではないからだ。けれどもいま、おすえの大きな眼でみつめられたとたん、彼はなにもかも話してしまいたいという、抑えがたい衝動に駆られた。
「身に覚えのねえことで、ぬすっとの罪をきせられたらどんな気持がするか、おめえは知っちゃあいねえだろう」と栄二は云った、「――おらあ芳古堂には十三の年から十年いた、同じうちに寝起きをし、同じ鍋釜で煮た物を喰べ、心の底まで知れきってると思っていたのに、親方はおれのいい訳も聞いてくれなかった、事情も話さずに仕事から外し、黙って浅草の店へ追っ払おうとした」