Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate

Aozora Bunko

十三の三

横に払った杖が、義一の脛に当る音と同時に、義一がぞっとするような悲鳴をあげて倒れ、栄二はりゅうのほうをすばやく見た。りゅうはとび出すほど大きく眼をみひらき、口をあけたまま棒立ちになっている。栄二は倒れた義一が、ふところから匕首を抜くのを認め、杖を取り直すと、おがみ打ちに、これまた力いっぱい殴りつけた。

「やめてくれ」義一はまた悲鳴をあげた、「おれがわるかった、よしてくれ」

栄二はまるで狂ったように、続けさまに殴りつけた。杖は頭を打ち胸を打った。義一の手から匕首がはねとび、頭や顔が血だらけになった。――そのとき初めて、りゅうが動きだした。

十三の三

栄二の動作は狂気じみていたが、頭の中は冷静であった。彼が義一に襲いかかったのは怒りの衝動で、判断力よりも本能的な怒りに支配されたものだ。けれども初めに一撃を与えた刹那に、判断力が動きだし、この機会をのがしてはならない、いまここで徹底的にやらなければ、却って災厄の根を残すことになるぞ。この男を人間と思うな、こいつは毒を持った蛇だ、蛇だと思ってやれ。栄二は頭の中で自分にそう命じていた。

りゅうは棒立ちになったままだったが、義一がめった打ちにされ、頭や顔から血がふき出すのを見ると、まっ蒼になってふるえながら、ふところの匕首を抜き、栄二のほうへすり寄った。