Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate

Aozora Bunko

膳が揃うと、おのぶも襷や前掛をとって三人の前に坐った。

「先に断わっておくが」と栄二が云った、「おれも礼は云わないから、みんなもおめでとうは云わないでくれ、本当のところ、おれはまだめでたくはないんだから、頼むよ」

そして彼は頭をさげた。さぶとおすえの顔がちょっと緊張し、おのぶはその緊張をほぐすように、徳利を持って栄二に酌をした。

「栄さんは人が変ったわ」とおのぶはそう云っておすえを見た、「あたしがついさっき、もういちどあるいてみせてって云ったでしょ、もとの栄さんならうるせえなって、どなりつけるにきまってたわ、だのにいまはいやな顔もしないし、云われるとおりあるいてみせてくれたわ、せんの栄さんには逆立ちをしたってできることじゃなかったわ」

「いくらおれだって」と栄二が云った、「逆立ちであるくようなきようなまねはできやしないさ、それよりのぶ公、いつかの縁談のことはどうなってるんだ」

「その話はこのつぎにするわ」

「片がついたのかどうか、それだけでも聞かせてくれないか」

「そう」と云っておのぶは徳利を置き、袂から紅絹の切に包んだ剃刀を出してみせた、「――これよ、これを出してみせるの」