Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate

Aozora Bunko

栄二の顔は白くなり、ひき緊めた唇にも血のけがなかった。

「どうしたんだろう」とさぶが声をひそめて囁いた、「昨日までなんていうこともなかったのにな」

栄二はぼんやりした顔で、いいからゆけよと云い、持っていた自分の道具袋を、戸納の中へしまい戻して、仕事着をふだん着に着替えた。――芳古堂では仕事の割当てがきまっているから、受持ちを外されると躯があいてしまう。もちろん小僧なら手をあけている時間などはないけれども、栄二のようにとしが二十三で、上に三人も兄弟子がいるという、中途半端な立場だと、こんなとき身の置きどころに困るのであった。

彼は小僧の卯吉に断わって外へ出た。芳兵衛はおれの云わないことはきくなと云った。つまり理由は云えないということだろうが、仕事の途中で職人を替えるなどという例は、よほどの理由がなければないことで、その理由が云えないというのはどういうわけだろうかと思い、もちろん見当もつかないので、目的もなく街をあるいてゆくうちに、彼はすっかり頭が混乱してしまい、いっそ酒でも飲んでやろうかと、やけな気持にさえなった。

「なぜこれこれだと云ってくれないんだ」