Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate

Aozora Bunko

おのぶはそう云ってあやすように微笑した、「どーお、少しは胸がおさまって」

「眠ってみよう」と栄二が云った。

水を持って来ておこうと、おのぶが去り、栄二は眼をつむった。眠れはしないだろうと思ったのに、そのまま眠ってしまったらしい。おのぶが来て、枕許へ水を置いていったのを、おぼろげに記憶しているだけで、人の話し声を聞きつけて眼をさますと、部屋の中は昏れかかっていた。彼は掻巻をはいで眠っていたとみえ、右の肩から腕がすっかり冷えているのに気づいた。

「もう少し寝かしておきましょう」とおのぶが云っていた、「幾日もろくに眠らなかったようだから」

「じゃあおれは店までいって来よう」とさぶの云うのが聞えた、「あにいたちに断わっとくことがあるんだ」

「あたし待っていたいんですけれど」と女の細い声が云った、「ここにいていいでしょうか」

「ええいいわ、もうすぐに客が来て、あたしは手がぬけなくなるでしょ、あんたが栄さんの面倒をみてくれれば助かるわ」とおのぶが云った、「でも、お店のほうはいいの」

「ええ構いません、そういうふうにして来ましたから」

おすえだな、と栄二は思った。慥かにおすえの声だ、どうしてこんなところへ来たんだろう。