Classici giapponesi con furigana
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
Leggi ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) di 永井 隆 (ながいたかし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.351 caratteri · 213 schermate
笑いながらも、近いうちに、ほんとうにこうして二人一つの弾で死ぬかもしれないと心の中で思った。
その日から私は山下をしからなくなった。山下はしかられるような失敗をしなくなった。いよいよ有能有為の看護婦になった。これから大いに働くぞと皆は山下に期待した。私は八月のおぼんには天草へ帰省させて、すっかり素直になった秀子を父に見てもらおうと楽しみにしていた。
八月九日。朝早くから警報が鳴った。鹿児島方面がしきりに襲われているらしかった。井上と山下とは伝令だったので、交替でラジオ情報を伝達していた。赤い丸い鼻の頭に汗をぷつぷつと浮かべ、くるくる目をぱちぱちさせて、情報を申しあげます、ただ今……と叫んでいる姿はとてもかわいらしかった。
原子爆弾が破裂し、崩れはてた教室に生き残りの教室員がしばしば集まったが、山下、井上らの看護婦たちはいつまで待っても出て来なかった。火をくぐってつぎつぎに飛び出してくる顔を見ては名を呼びかけるけれども真っ黒に変わりはてただれも山下でも井上でもなかった。来ぬはずだった。そのときすでに彼女たちは運動場で黒こげになっていたのである。
看護婦長が死体を見つけた。