Classici giapponesi con furigana
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
Leggi ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) di 永井 隆 (ながいたかし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.351 caratteri · 213 schermate
すると、母が、ちょっと待ってください、いま夫が留守ですから、とことわった。これは私一人の子供ではございません。夫とも相談の上で手術をするか、せぬかきめてくださいませ。痛みと苦しみとにさいなまれていながら、しきりに頼んだ。そんなことを言ってぐずぐずしているうちに、心臓が弱ってあんたも死ぬよ、と病院長先生がしきりに主張するけれども、母は、とうとう承知しなかった。この子の脚はまだ腹の中で動いています。この子はまだ生きています。生きている私の子供を殺すのはいやです。母は苦しい息の中から叫んだ。
病院長先生も母の強情にあきれ、少しは心中おだやかならぬものを感じたのか、すいと本院の方へ引き上げてしまった。お鉄おばさんは気が小さいものだから、おろおろするばかりだった。寛さんはどこをうろうろしているんだろう。こんな日に往診なんかに行かなくてもよかろうに。往診したらさっさと帰って来ればいいのに、家内も子供も死にかけているのに、おツネさん、ほんとうに大丈夫かえ? ぐちやら泣き言やら、心配やらで、ただ立ったり座ったりするばかりだった。
おツネさんは足軽の子だったが、もともと腹のすわった人だった。