Classici giapponesi con furigana
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さんあくにんものがたり
三悪人物語
山本 周五郎
Leggi 三悪人物語 (さんあくにんものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.990 caratteri · 58 schermate
腰をひねって抜き放……いや待て、えい、もうひと息――八百助は気の毒そうにきいた。
「どうしたんです、また抜けなくなりましたか」
「なに、こんなもの」だが権頭は癇癪を起こした、「ええくそ、今は抜けないけれども、今は抜けないが抜けば伝家の二尺八寸、ずばりずばりとめった斬りだ」
「それはすごそうですね、ひとつお手並みを見せてもらいましょう」
「だから云ってるじゃあねえか、今は抜けねえんだ、それになるべくなら手荒いまねはしたかあねえ、さあ黙ってあり金を出してしまえ、じたばたすると」
「ちょっと待ってくれ」八百助は振り向いた、
「誰だ、――帰ったのか源兵衛」
へえと答えながら、襖を明けて老人が出て来た。権頭のいわゆる「死っ損ないの老いぼれ」であろう、名を源兵衛と呼ぶこの家の老僕だ、――彼は急いで来たとみえて汗をかいている。
「たしかに船は着きました、二百石ばかりのものが四艘、さっそく荷積みを始めております」
「やいやい」権頭がわめく「こっちをどうするんだ」
「ちょっと待ってくれ急がしいんだ」八百助は見向きもしない、「それで番所のほうへあれは届いたんだな、よし、ではいいから寝てくれ、寒いところ御苦労だった」