Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんまいつづき

三枚続

泉 鏡花

Leggi 三枚続 (さんまいつづき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 63.572 caratteri · 124 schermate

Aozora Bunko

と寐そうに見えて、これがために不思議に愛々しい、年の頃二十三四の小造で瘠ぎすなのが、中形の浴衣の汗になった、垢染みた、左の腕あたりに大きな焼穴のあるのを一枚引掛けて、三尺の帯を尻下りに結び、前のめりの下駄の、板のようになったのに拇指で蝮を拵えたが、三下という風なり。実は渡り者の下職人、左の手を懐に、右を頤にあてて傾きながら、ばりかんを使う紋床の手をその鋭い眼で睨むようにして見ているのであった。

客は向うへ足を伸して、

「そうだろう、人情は誰も同一だから言うことも違わないんだよ。」

「じゃあ何だ、内の母親もやっぱり同一ようなことを言ってましょう、ふふん、」と頤を支えたまま、頷くがごとくに言って笑を洩らす。

紋床は顔を斜に、ばりかんに頬をつけて、ちょいと撓めて、

「馬鹿をいいねえ、お前と同一にされて耐るもんか、人情は異らないでも遣り方が違ってらあな、おい、こう見えても母親にゃまだ米の値を知らせねえんだが、どうだ。」

「あれ、あんなことをいうよ、のうお槙。」と母親は傍なる女房に言葉を渡したらしい。

「ほほほほほ。」と、気の無さそうに若い女が笑った、と思うと嬰児がおぎゃあと泣く。