Classici giapponesi con furigana
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さんまいつづき
三枚続
泉 鏡花
Leggi 三枚続 (さんまいつづき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 63.572 caratteri · 124 schermate
「何だ、火事だ。」
「火事だ?」と口々に尋ねたが、これは事件の緒口を引出そうとするに過ぎない、皆々は云うまでもなく、その間の消息を解していた。
「こ、こ、こいつじゃ、火事はこいつじゃ。」
人数が襲い来ったので思わずおさえていた袂が弛んだ、お夏の手を振放して、婆は蔵人に躍りかかった。
「何をするんですよ。」
遮ろうとするお夏の帯を、ぐいと留めた者がある。同時に婆を突退けて、
「まあ、待ちなさい、」と一名。
発奮をくらい、婆は尻餅をついて、熟柿のごとくぐしゃりとなったが、むっくと起き、向をかえると人形町通の方へ一文字に駆け出した、且つ走り、且つ声を絞って、
「火事じゃ、火事じゃ。」
「あれ。」
嬰児を懐にしっかと圧え、片手を上げて追懸けたのは、嘉吉の家の女房である、亭主その晩は留守さ。
「さてお夏さん、思切っておくんなさい、二三日前から薄々様子は知っていなさろうがね、町内じゃあ大抵気にするッたらないんだから、一番ね、思切って私等に鶏をおくんなさい。何も宵啼をすりゃこうと、政府からお触が出たわけじゃないけれども、可うがすかい、心持だ。悪いことは謂いませんや、お前さんのお為にその方が可かろうと思うからね。