Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate

Aozora Bunko

すると弥生は、なぜか耳の付け根まであかくなって、あわてて墨をする手に力を入れた。うなだれた首筋は抜けるように白い。むっちりと盛りあがった乳房のあたりが、高く低く浪を打っている。

轟ッ――と一わたり、小夜嵐が屋棟を鳴らして過ぎる。

鉄斎は、手にしていた一刀を、錦の袋に包んだ鞘へスウッ、ピタリと納めて、腕を組んで瞑目した。

膝近く同じ拵えの刀が二本置いてある。

関の孫六の作に、大小二口の稀代の業物がある。ともに陣太刀作りで、鞘は平糸巻き、赤銅の柄に刀には村雲、脇差には上り竜の彫り物があるというところから、大を乾雲丸、小を坤竜丸と呼んでいるのだが、この一対の名刀は小野塚家伝来の宝物で、諸国の大名が黄金を山と積んでも、鉄斎老人いっかな手放そうとはしない。

乾雲、坤竜の二刀、まことに天下の逸品には相違ない。だが、この刀がそれほど高名なのは、べつに因縁があるのだと人はいいあった。

ほかでもないというのは。

二つの刀が同じ場所に納まっているあいだは無事だが、一朝乾雲と坤竜が所を異にすると、凶の札をめくったも同然で、たちまちそこに何人かの血を見、波瀾万丈、恐ろしい渦を巻き起こさずにはおかないというのだ。