Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
陽にきらめいて寄せて来る十手の浪。
地をなでて近づく御用の風。
さてはッ! 逆袈裟がけ辻斬りの一件がばれたなッ! と思うより早く、剣鬼左膳のあたまを掠めたのは、そも何者が訴人をしてかくも捕り手のむれをさしむけたのか?――という疑惑とふしぎ感だったが、そんな穿鑿よりも刻下は身をもってこの縦横無尽に張り渡された捕縄の網を切り破るのが第一、と気がつくと同時に長身の左膳、もう塀外へ降りても途はないから、左手に老幹を抱いて庭にずり落ちざま、ただちに、源十郎がおさよと差し向いでいるこの座敷のそとへ飛んで来たのだった。
刀痕の深い左膳の蒼顔、はや生き血の香をかぐもののごとく、ニッと白い歯を見せた。
「来たぞ源的!」
「上役人か。斬るのもいいが。あとが厄介だ」
「と言って、やむを得ん」
「うむ、やむを得ん」
いう間も、多数の足音が四辺に迫って、剣妖左膳、パッと片肌ぬぐが早いか、側の女物の下着が色彩あざやかに、左指にプッツリ! 魔刀乾雲ではないが鯉口押しひろげた。
と!
背後の樹間の人の姿が動いたと見るや、ピュウ……ッ!
と空をきって飛来した手練の鉤縄、生あるもののように競い立って、あわや左膳の頸へ! 触れたもほんの一瞬、銀流ななめに跳ねあがって小蛇とまつわる縄を中断したかと思うと、縄は低宙を突んざいていたずらに長く浪をうった