Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
子供はふしぎそうに振りかえりながら大通りを駈けぬけていった。
お艶は、羽織の袖がひきずるのも知らずに片手にさげて、しょんぼりと家に帰った。
あがってすわってはみたが……広くもない家ながら、栄三郎の出ていったあとはたまらなく淋しかった。孤独の思いがしいんと胸に食いいってくる。
「栄三郎さま」
呼んでみても聞こえようはずはない。かえってわれとわが低声に驚いて、お艶はあたりを見まわしたが、夢中でつまぐっている膝の栄三郎の羽織に気がつくと、こんどはしんみりとひとりごとをはじめた。
ひとりごと? ではない。彼女は羽織を相手に話しているのだった。
「申しわけございません。おこころに曇りのない正直一徹のあなた様をあんなにおこらせ申して、それもこれも夜泣きの刀のため、おかわいそうな弥生さまのおためとは言いながら、思えば、お艶も罪の深い女でございます」
言葉はいつしかすすり泣きに変わっていた。
「けれども、こうやっていましたのでは、いつになったら埓のあきますことやら……所詮わたし故にあなた様をこのままおちぶらせるようなもの――なにとぞお艶をお捨てなされて、存分にお働きくださいまし。