Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
門前、振袖銀杏のかげからのぞいていた源十郎は、この居合抜きのあざやかさに肝を消して、もとより与吉は真っ二つになったことと思った。
が、二つになったのは、与吉ではなくてはんてんだった。まるで鋏で断ち切ったように、左右に分かれて地に落ちている。
ぽかんと気が抜けて立った与吉は、
「貴様ごときを斬ったところで刀がよごれるばかり、これにこりて以後人を見てものを言え」
という栄三郎の声に、はっとしてわれに返ったのはいいが、どうして半纒が取られたのか知らないから、怖いものなしだ。
「何をッ! 生意気な」
うめくより早く、蹴あげた下駄を空で引っつかんで打ってかかった。にっこりした栄三郎、ひょいとはずして、思わず泳ぐ与吉の腰をとんと突く。はずみを食った与吉は、参詣の石だたみをなめて長くなったが……。
かれもさる者。
いつのまに栄三郎の懐中をかすめたものか、手にしっかと五十両入りの財布を握って、起き上がると同時に門外をさして駈け出した。
もう容赦はならぬ。追い撃ちに一刀!
と柄を前半におさえてあとを踏んだ栄三郎は、門を出ようとする銀杏の樹かげに、ちらと動いた人影に気がつかなかった。