Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
「与吉!」
とおうむ返しに源十郎が驚き、
「さては、お藤めの意趣がえしであったか……」
左膳が同じく歯を噛んだちょうどそのときに、ビクビクもののつづみの与吉が、全身に汗をかいて荒れ庭の地を這い、ソウッと左膳の離室を遠ざかろうとしていた。
「こりゃアいけねえ! いまみつかったら百年目、いきなりバッサリやられるにきまってる……桑原桑原!」
土をなめながら、与吉はつぶやいた。
「姐御! 姐御ッ! 大変だッ!」
というあわただしい声が、まっくらな穴ぐらの入口から飛びこんでくると、櫛まきお藤は暗い中でムックリと身を起こした。
第六天……篠塚いなりの地下、非常の場合に捕り手をまく穴に、お藤はさきごろからひとり籠もっているのだった。
「なんだい、そうぞうしいねえ」
チッ! と軽く舌打ちをしたものの、ただならぬ与吉のようすに、お藤の声も思わずうわずっていた。
お藤が、そのあぶないからだを稲荷の穴へひそめて、ながらく外部へ出ずにいても、いつも世の動きを耳へ入れておくことのできたのは、このつづみの与吉があいだに立って絶えず報知をもちこんできていたからで、誰知らぬ場所とはいえ、与の公だけはとうからこのお藤姐御が一代の智恵をしぼった隠れ家を心得ていたのだ。