Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate

Aozora Bunko

今、

その与吉が、いつになくあわてふためいて駈けこんで来たのだから、さすがのお藤が胆をつぶしたのももっともで、

「なんだねえ、与のさん、ただ大変じゃアわからないじゃないか。何がどうしたッていうのさ」

こう落着きをよそおってききながらも、お藤は不安らしくジリジリしていると、天地のあかるい夕焼けの一刻から急に黒暗々の地室へ走りこんだので目が見えなくなったも同然になったつづみの与の公、腰を抜かすように、ペッタリ破れ筵にしりもちをつくなり、

「おちついてちゃアいけねえ! と、とにかく大変! く、首が飛びます首がッ!」

「ホホホホ!」お藤は笑い出した。

「そりゃア、与の公、お前らしくもない。いまに始まったことじゃアないじゃないか。お互いさま、いつ首が飛ぶか知れない身の上なんだから考えてみると、おとなしくしているだけ損なわけさね」

与吉は、ことばより先に、大きく頭上に両手を振りみだして、

「チョッ! そ、そんな……そんなのんきなんじゃアねえ! なにしろ姐御、本所の殿様と左膳さまが、あっしと姐御を重ねておいて二つにしようってんだから――」

「おや! それあおもしろい! けど嫌だよ、お前といっしょにふたつにされるなんて……不義者じゃアあるまいし」