Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
哀れみを乞うような、笑いかけるがごとき表情だった。
しかし、つぎの刹那、かれは頭から、滝のような血を吹いて真っ赤になった。追いすがった左膳が冷たい微笑とともに一太刀おろしたのである。
山淑の豆太郎、全身血達磨のごときすがたで地にのたうちまわったのもしばらく、やがて草の根をつかんで動かなくなった。絶え入ったのだ。
と見るや左膳は、
「いやなものを斬ったぜ」
とひとりごと。
ひきつるような蒼白の笑みとともに、大刀の血糊を草の葉にぬぐいながら、弥生と二剣は? と、そこらを眺めまわすと、いまのさわぎのうちに、いつの間にかまぎれさったものであろう。弥生も、夜泣きの刀も近くに影がない。
深閑として、陽の高い森の奥。
雨のような光線の矢が木々の梢を洩れ落ちて、草葉の末の残んの露に映ろうのが、どうかすると雑草の花のように、七色のきらめきを見せて左膳の独眼を射る。
ムッ! とする血のにおい――左膳は、ふたたびニヤリとして豆太郎の死体を見返ったが!
かれは鈴川源十郎の口から、弥生がこの子恋の森に、五人組の火事装束とともに住んでいると聞いたことを思い出したので、ゆうべ不覚にも、多勢に無勢、ついに乾雲を強奪されたから、それを取り返すつもりで、もしやとこの森へ出かけて来たのだった。