Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Leggi 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 203.094 caratteri · 411 schermate
見識らない異国の眇目の男――たとい先方では何と言おうとも、こちらでは何のかかりあいのない人間である以上、彼が搦め捕られようと、拷問にかけられようと、ただその成り行きにまかせて置けばよいのである。そう思いながらも、一度彼の燃えるような片目の光りに強く射られて、自分の魂を怪しく魅せられたように感じている小坂部は、彼の運命を権右衛門らの手にゆだねて置くのが、いかにも心もとないように思われてならなかった。かれはその侍女に案内させて、すぐに館の門前へ出て見ると、眇目の男はさきの姿をそのままで、新九郎と弥兵衛の二人に両腕を取られていた。権右衛門は例の兵庫鎖の長い太刀の柄に手をかけて、何か尖った声で罵っていた。采女も白い歯で下唇を噛みながら、美しい顔を少しゆがめて、自分の足もとに引き据えられている異国の男を子細らしく睨みつめていた。
姫がここにあらわれたのを見て、四人は一度に会釈したが、それはほんの型ばかりで、彼等のするどい眼はやはりその異国の男の上にそそがれていた。
「その男が何としたのじゃ。」と、小坂部は誰に訊くともなしに声をかけた。
その涼しい声が耳にひびくと、今まで俯向いて大地を睨んでいたような男は俄かに顔をあげた。