Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Leggi 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 203.094 caratteri · 411 schermate

Aozora Bunko

二

二

火の手はいよいよ燃えあがって、小さい茅葺きの家は見る見る焼け落ちてしまった。その火に照らされて、小さいながらも極めて残酷におこなわれた闘いのあとが明かるく映し出された。杉の大木の下には女の輿が投げ出されて、そのそばには一人の男が倒れていた。それを中心にして、前後にも左右にも敵か味方か十五六人の死骸が枕をならべて横たわっていた。その死骸をすぐには取り片付けようともしないで、残る大勢はまだ消えやらない火焔のまわりを幾重にも取り囲んでいるらしかった。

「見咎められては悪い。早うお出でなされ。」

小声で注意するのは眇目の男であった。実際ここで彼等に見咎められては面倒である。二人はこのむごたらしい戦闘のあとを見捨てて、早々にここを立ち退くよりほかにはないので、そっと木かげを忍んで出て、男のうしろに付いてゆくと、彼は木立ちの間をくぐって、遠廻りをしてこの村のはずれまで無事に行きぬけた。村を出る時に見かえると、塩冶の人を焼いた火の光りはまだ其のあたりを紅く染めていた。

「思えば思えば悼ましい。」と、小坂部は絞り出すような溜め息をついた。「これもみな父上のおそろしい罪業じゃ。