Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Leggi 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 203.094 caratteri · 411 schermate

Aozora Bunko

小坂部姫

双ヶ岡

一

双ヶ岡

一

「物申う、案内申う。あるじの御坊おわすか。」

うす物の被衣の上に檜木笠を深くした上※(「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1-91-26)ふうの若い女が草ぶかい庵の前にたたずんで、低い優しい声で案内を求めた。南朝の暦応三年も秋ふけて、女の笠の褄をすべる夕日のうすい影が、かれの長い袂にまつわる芒の白い穂を冷たそうに照らしていた。

一度呼んでも、内では答えがなかった。二度、三度、かれは呼びつづけながら竹の戸をほとほとと軽く叩くと、やがて内では眠そうな声がきこえた。

「案内は誰じゃ。」

「これは都の者でござりまする。御庵主に是非にお目にかからいでは叶わぬ用事ばしござりまして……。ここお明け下され。」

内ではうるさそうに黙っているので、女はかさねて声をかけた。

「お暇は取らせませぬ。およそ一、それもかなわずば半※(「日+向」、第3水準1-85-25)でも……。まげて御対面を折り入って頼みまする。御庵主、あるじの御坊……。」

「なんの用か知らぬが、ここは世捨てびとの庵じゃ。女子などのたずねて来るべき宿ではござらぬ。」

あるじはあくまでも情ないのを、外の女は強情に押し返して言った。